東京駅の丸の内駅舎を背にして皇居の方角へ歩くと、街の印象は「水」よりも「石」と「ガラス」です。整然とした街路、高層ビル、広い歩道。その先に皇居外苑の緑が現れ、ようやく和田倉濠や日比谷濠の静かな水面が視界に入ります。 ところが、現在の丸の内を地形と歴史の時間軸で見直すと、印象は大きく変わります。 この一帯は、江戸が巨大都市になる以前には海につながる低地を含み、近世には江戸城の濠によって輪郭を与えられ、東側にも外濠の水路が走っていました。いま「陸の都心」として見える丸の内は、水を遠ざけて成立した街というより、 ...