東京駅の丸の内口に立つと、目の前には石畳の広場が伸び、その先に皇居の緑が見えます。 左右には整った高層ビルが並び、街路はほぼまっすぐです。何度も計画され、つくり直されてきた場所だけに、丸の内は東京でもとりわけ完成度の高い街に見えます。 けれども、この整然とした風景は、そこにあったものが残り続けた結果ではありません。 海の入り江は陸地になり、船が通った堀は道路や建物の下へ消えました。大名屋敷が並んだ街は兵営と練兵場になり、やがて煉瓦造りのオフィス街へ変わります。その煉瓦街の多くも、高度成長期以降の建て替えで ...